実際に航行していた潜水艦の一部を腕に着ける。ジンの限定モデル『U15』『U16』『U18』
皆さま、こんにちは。
日に日に春の訪れを感じる中、ウマキではワールドウォッチプレミアム『春』を絶賛開催中です。
さて、本日は、ジンから発表された限定ダイバーズウォッチを紹介いたします。
■本物の潜水艦の外壁を使ったダイバーズウォッチ
今回ジンから発表された限定モデルは、本物の潜水艦の外壁を時計のミドルケースと回転ベゼルに使用しています。
『U15』、『U16』、『U18』の3モデルが発表されていて、すでに時計ファンの間で話題になっています。
ケースの素材として用いられたのは、バルト海を約40年間守ってきたドイツの206型潜水艦U15、U16、U18で、この3艦が退役するにあたって各艦の外壁が各モデルのケース材料に用いられることになりました。
材料はジンが20年にわたってダイバーズウォッチに用いてきたUボートスチールと同じですが、各艦艇の歴史やそれを支えてきたエンジニアリングへのリスペクトが込められたモデルとなっています。
■ジンが20年にわたって使用してきた『Uボート・スチール』
ジンは20年にわたり、ダイバーズウォッチに『Uボート・スチール』を用いてきました。Uボート・スチールはドイツの潜水艦のために開発された特殊鋼で、その特徴は強い力が加わったときに、変形して元の形状に戻らなくなるまでの耐性が高いことで、潜水艦の外壁として優れています。
さらにUボート・スチールは耐海水性能が高く、残留磁気のない非磁性体です。これらの特性はダイバーズウォッチにとっても適していて、ドイツで特殊時計を作り続けてきたジンのバックグラウンドにもぴったりの素材です。
従来のUシリーズは未使用のUボート・スチールを使用していますが、今回の3つの限定モデルは長きにわたって実際に航行していた潜水艦の外壁を用いているところが話題になっています。
■潜水艦の外壁を使用した3つのモデル
3つの限定モデルのケースに用いられているのは40年近くにわたってバルト海とそのアクセスルートを守ってきた206型潜水艦のU15、U16、U18の外壁の鋼材です。各潜水艦が退役するにあたってジンがその船体を入手し、外壁を切り出してケースに仕立てています。
注目されている点として、潜水艦の鋼材を溶かして再利用するのではなく、ミドルケースとベゼルに必要な形状に切り出しているところがあります。長年にわたって潜水艦を守ってきた外壁が、切り出してそのまま時計のケースとして使える品質を保っているのは素材そのものの品質と耐久性が高いことに他なりません。
そして、このモデルの製造を可能にしたのは素材の優秀さだけでなく、ジンのケースを製作しているSUG(ザクセン時計技術社グラスヒュッテ)の高い技術力と、長年にわたって第一線で活躍できる潜水艦を製造してきたドイツのエンジニアリングや各潜水艦の貢献に対するリスペクト、そしてそれを時計へと落とし込んでファンに提供しようとするジンとSUGの情熱があったからです。
■スペックの異なる『U15』、『U16』、『U18』
退役した潜水艦の名前が付けられた『U15』、『U16』、『U18』は、各1000本限定で製造されます。
Uシリーズのデザインをベースに、限定モデルの特別なデザインとして文字盤に水深約30mの海の光景を取り込んだ深い青みがかったグリーンに、浮かび上がる無数の気泡があしらわれています。そして文字盤の6時位置に、それぞれの潜水艦の長きにわたる貢献に敬意を表して航海距離と型式であるKLASSE 206の文字が記されています。また、裏蓋には206型潜水艦のシルエットが刻まれています。
各モデルは防水性能が異なっていて、それに合わせてケースサイズが調整されています。U15は500m防水でケース径41mm 厚さ11.2mm、U16は1000m防水でケース径44mm 厚さ14.7mm、U18は2000m防水でケース径44mm 厚さ15.5mmです。
■ケース径41mmの『U15』
『U15』 Ref.1025.010
自動巻き(Cal.SW300-1)。パワーリザーブ約50時間。Uボート・スチールケース(直径41mm、厚さ11.2mm)。500m防水。世界限定1000本。税込み予価75万9000円。今夏発売予定。
■1000m防水の『U16』
自動巻き(Cal.AW200-1)。パワーリザーブ約38時間。Uボート・スチールケース(直径44mm、厚さ14.7mm)。1000m防水。世界限定1000本。税込み予価75万9000円。今夏発売予定。
■2000m防水の『U18』
自動巻き(Cal.SW300-1)。パワーリザーブ約50時間。Uボート・スチールケース(直径44mm、厚さ15.5mm)。2000m防水。世界限定1000本。税込み予価82万5000円。今夏発売予定。
いずれのモデルも、防水性と耐圧性は第三者機関によるヨーロッパ潜水機器規格に準拠した検査と認定が行われているほか、DIN8309に準拠する耐磁性能や減圧耐性など、特殊時計を作り慣れたジンならではの性能を備えています。
各モデルには、退役した潜水艦から切り出した鋼材が付属しています。この端材には潜水艦の名が刻印されていて、本作のオーナーにとって特別なオーナメントとなっています。
■まとめ
いかがでしたか?
いつも独自の視点で特別な時計を製造して驚かせてくれるジンから、また驚きの限定モデルが発表されました。実際に活躍した潜水艦の外壁を使用した時計を身に着けることを想像するだけでもわくわくします。
発売時期は今年の夏ごろの予定です。どうぞお楽しみに。
21 , March , 2025