ユリス・ナルダンが取り組むサステナブル
皆さま、こんにちは。
近年、多くの企業が取り組んでいるSDGs。
時計業界の中にもこの考え方に賛同し、取り組みを行っているウォッチブランドがいくつかあります。
本日はユリス・ナルダンが行っているサステナブルな取り組みについて、少しお話していきます。
【ユリス・ナルダンと海】
ユリス・ナルダンは海は切っても切れない、深いつながりがあります。
ユリス・ナルダンは1846年、多くの時計メーカーが軒を連ねるスイス時計の聖地ル・ロックルにて創業しました。
当時は海洋探査と国際貿易が盛んであったことから、航海用のマリーンクロノメーターの開発で知名度を向上させていきました。
創業者のユリス・ナルダンから世代が変わり、二代目のポール・デビット・ナルダンの時代になると、1878年のパリ万国博覧会ではポケットウォッチとマリーン クロノメーターの部門で金賞を受賞しています。
この出来事をきっかけに世界50以上の海軍および国際海運会社がユリス・ナルダンのマリーン クロノメーターを採用することになります。
ブランドロゴにも錨のマークがあるように、私たちユーザーにもユリス・ナルダンといえば海、というイメージは強くありますね。
【私たちはプラスチック汚染と闘います】
ユリス・ナルダンはHP上でこのように謳い、昨今の海洋のプラスチック汚染問題に取り組んでいます。
この問題を世の中に認知してもらう為にユリス・ナルダンが選択した方法が“アップサイクル”です。
世界では毎年900万トンのプラスチックが海に持ち込まれているそうです。
漁網(主にポリアミド製)は、この海洋プラスチック汚染の主な原因の一つであり、毎年64万トンが紛失または放棄され(国連データ)、排出される900万トンのプラスチックと一緒に海に存在しているそうです(サイエンス誌)。
ユリス・ナルダンが掲げた“アップサイクル”とは「古いものから新しいもの」を生み出し、素材、特にプラスチックを再生することで意識を高めていくことを狙っています。
このミッションにおいて、フランスで初めて漁網のリサイクル事業を立ち上げたブルトンの若手デザイナーとタッグを組みストラップの開発を進めました。
【カーボニウム製ベゼルデザイン】
このムーブメント部分の95%は、マニュファクチュールから半径30㎞以内で調達されており、その半分はリサイクルルートから調達されています。
特に、ユリス・ナルダンのムーブメントで使用されているブラス(真鍮)には、100%リサイクルの真鍮を使用しているそうです。
そして、逆回転防止ベゼルには、カーボニウム(ラヴォアジエ・コンポジット社製)で製作されています。
カーボニウムは最新世代の航空機の胴体や翼に使用されているカーボンと同じ素材で出来ています。
航空機部品の端材を利用しているため、製造において他のカーボン複合材料に比べて環境負荷を40%低減することが出来ているそうです。
【私たちはサステナブルな存在である】
ユリス・ナルダンのHPではこのように締めくくっています。
私たちはサステナブルな存在である
世代から世代へと受け継がれる高級時計は、その性質上、永続的な運命を持っています。
ユリス・ナルダンの時計は、そのほとんどをスイスで調達し、時計職人のノウハウによって現地で組み立てられており、永続するように設計されています。
ものすごくカッコいいフレーズだと思います。
“サステナブル(持続可能な)”というトレンドワードであるものの、創業以来守り続けてきたコンセプトや仕組み自体がそれにあたるという、なんとも素晴らしい考え方。
時代の流れに乗りながら、伝統を守り続けるユリス・ナルダンのコンセプトをまさに表現していると感じて、よりユリス・ナルダンというブランドが好きになりました。
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