ハリー・ウィンストン『HWオーシャン バイレトログラード』
皆さまこんにちは。
今回はハリー・ウィンストンの時計『オーシャン』を紹介したいと思います。
時計の紹介の前に、ハリー・ウィンストンがどのようにして世界屈指のジュエリーブランドになり、『ダイヤモンドの王』と呼ばれるようになったのか、そしてハリー・ウィンストンの時計づくりについて、少し掘り下げてみたいと思います。
■『キング・オブ・ダイヤモンド』ハリー・ウィンストン
ハリー・ウィンストン氏(1896~1978年)
世界屈指のジュエリーブランド『ハリー・ウィンストン』は1932年に、宝石に関する並外れた知識と審美眼を持ったハリー・ウィンストン氏によって、ニューヨークで創業しました。
そして創業後間もない1935年に、ハリー・ウィンストンは726カラットの巨大なダイヤモンド原石『ヨンカー』を入手し、12個に分割しました。その中で一番大きくカットされたものは125カラットのエメラルドカットダイヤモンドになりました。
その3年後には、さらに大きな726.6カラットのダイヤモンド原石『ヴァルガス』を入手し、ハリー・ウィンストンの名が世界に知れ渡ることになりました。
726カラットのダイヤモンド原石『ヨンカー』
このようなダイヤモンドへの情熱と輝かしいキャリアが評価され、1947年にはコスモポリタン誌から創業者のハリー・ウィンストン氏に『キング・オブ・ダイヤモンド』の称号が贈られました。
■伝説のホープ・ダイヤモンド
かつてハリー・ウィンストンが所有していたホープ・ダイヤモンドは、過去にルイ14世、マリー・アントワネットなど多数の著名人の手を渡った伝説的なブルー・ダイヤモンドです。
1958年にハリー・ウィンストンは、「全人類に捧げる贈り物」として、このホープ・ダイヤモンドをワシントンD.C.のスミソニアン博物館に寄贈しました。
そして2010年11月、この伝説的なブルーダイヤは、『エンブレーシング・ホープ(希望を抱いて)』と名づけられた新セッティングに納められました。
現在スミソニアン博物館に展示されているこのホープ・ダイヤモンドは、ルーブル美術館にあるモナリザと並んで世界中で最も多くの見物客を集める展示物として、来館者の目を楽しませています。
ホープ・ダイヤモンド
■ウィンストン・レガシー
ウィンストン・レガシーは、2013年にハリー・ウィンストンが手に入れたダイヤモンドです。101.73カラット、Dカラー、フローレスのこのダイヤモンドは「史上最も完璧なダイヤモンド」と評価され、約2,670万ドル(約30億円)で取引されました。
このダイヤモンドは1カラットあたり25万4,400ドル(約2,858万円)で、無色のダイヤモンドで世界最高額を記録しました。
ウィンストン・レガシー
■ダイヤモンドの魅力を最大限に引き出すデザイン
ダイヤモンドの入手だけでなく、ハリー・ウィンストンはジュエラーとしていくつものの偉業を残しています。
そのひとつが1940年代に考案したダイヤモンドのセッティング技法『クラスター・セッティング』です。
これは、ダイヤモンドに様々な角度をつけてプラチナワイヤーで繋ぐ技法で、ダイヤモンドの輝きを最大限に引き出し、まるでダイヤモンドをじかに肌に着けているかのような仕上がりになります。
クラスター・セッティングはその後のジュエリーデザインに大きな影響を与え、ハリー・ウィンストンの名をさらに知らしめることになりました。
ウィンストン・クラスター・ネックレス(計136.66カラット)
息を飲むような美しさです。
■映画とハリー・ウィンストン
「教えて、ハリー・ウィンストン!私にダイヤモンドのすべてを!」
1953年のマリリン・モンロー主演の映画『紳士は金髪がお好き』の中で、マリリン・モンロー演じるショーガールが劇中歌『Diamonds Are a Girl’s Best Friend』で、「教えて、ハリー・ウィンストン!私にダイヤモンドの全てを」と歌う有名なシーンがあります。
その他にもウディ・アレン監督の『世界中がアイ・ラヴ・ユー』で、エドワード・ノートンが婚約指輪を買うためにNY5番街のハリー・ウィンストン本店に行くシーンなど、直接ハリー・ウィンストンの名前やお店が映画に登場したり、銀幕を飾る女優がハリー・ウィンストンのゴージャスなジュエリーを身に着けているシーンなど、数えきれないほど映画の世界にハリー・ウィンストンは登場しています。
『紳士は金髪がお好き』(1953年)のマリリン・モンロー
■レッドカーペット
また、ハリー・ウィンストンは、1943年のアカデミー賞授賞式で最優秀主演女優賞を受賞したジェニファー・ジョーンズにジュエリーを貸し出して以来、「スターたちのジュエラー」として70年以上にわたってレッドカーペットを彩っています。
エリザベス・テイラー、ソフィア・ローレン、グウィネス・パルトロウ、アンジェリーナ・ジョリー、ハル・ベリー、ジェニファー・ロペス、サンドラ・ブロック、ロバート・ダウニーJr、クリスチャン・ベイルなどの超大物スターたちがハリー・ウィンストンのジュエリーやウォッチを身に着けてレッドカーペットを歩いてきました。
このようなことから、ハリー・ウィンストンは『スター達のジュエラー』とも呼ばれるようになったのです。
■ハリー・ウィンストンの腕時計
ハリー・ウィンストンは一流のジュエリーブランドであると同時に、現在では優れた時計ブランドでもあります。
時計製造は1989年からとまだ短いですが、才気あふれる独立時計師たちとのコラボレーションによる超複雑機構の『オーパス』シリーズや、独自でも複雑機構を開発するなど、目の肥えた時計ファンをも唸らせる時計を次々に世に送り出しています。
■ハリー・ウィンストンのスポーティ・ウォッチ『HWオーシャン』
「HWオーシャン」は1998年に誕生した、スポーティとエレガンスを兼ね備えたコレクションです。
オーシャンの名のとおり、海の上を力強く航行する船のような豪華さと精緻さを持った、ハリー・ウィンストンらしいスポーティ・ウォッチです。
マザーオブパールの文字盤にオフセンターの時・分表示、そしてレトログラードの秒針と曜日表示を備えた複雑機構になっています。
秒針は30秒ごとに一瞬で0秒位置にフライバックする動きを繰り返すので、つい何度も秒針が戻る様子を見てしまいます。
そして、何といってもハリー・ウィンストンの真骨頂であるダイヤモンドをふんだんにセッティングしたホワイトゴールドのケースは、普段ジュエリーウォッチにあまり興味のない男性でも見入ってしまうほどの迫力です。
このモデルには、文字盤に127個、ケースに196個、ストラップのバックルに44個、合計367個・約4.5カラットのラウンド・ブリリアントカット・ダイヤモンドが入っています。ケースの見える部分にはほとんど隙間なくダイヤモンドが敷き詰められています。
■ハリー・ウィンストンの時計のダイヤモンド
“キング・オブ・ダイヤモンド”の名にふさわしいハリー・ウィンストンの時計には、クラリティグレードIFからVVSまで、カラーはD、E、Fのみの最高品質のダイヤモンドのみを使用しているそうです。
そしてハリー・ウィンストンならではのセッティング技術によって、すべてのダイヤモンドのカットの向きをぴったり揃えて均一に輝くように並べています。また、ダイヤモンドのそばの壁の部分を鏡のように磨き上げ、反射した光がしっかりとダイヤモンドに入るように仕上げています。
このように最高のダイヤモンドを最高の技術でセッティングすることで、ハリー・ウィンストンのジュエリーウォッチは“究極の美しさ”と言われているのです。
■まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はハリー・ウィンストンがどのようにして『ダイヤモンドの王』と呼ばれるようになったか、そしてハリー・ウィンストンの時計にはどんな魅力があるのかについて触れてみました。
ハリー・ウィンストンはジュエリーブランドとして素晴らしいだけでなく、ジュエラーとして培ってきた審美眼や技術によって他の時計ブランドにない立ち位置を確立しています。
まだハリー・ウィンストンの時計をご覧になったことのない方も、店頭で一度その魅力に触れてみて下さい。
HW オーシャン・バイレトログラード オートマティック 42mm
品番:OCEABI42WW002
ケース素材:18Kホワイトゴールド
ケースサイズ:42.2mm 厚さ10.6mm
ケースバック:シースルーバック、サファイアクリスタル
防水:10気圧
ムーブメント:機械式自動巻きHW3305 レトログラードセコンド、レトログラード曜日表示
ダイヤル:ホワイト マザーオブパール
ストラップ:ブルー アリゲーター レザー
ダイヤモンド:367個のラウンドブリリアントカットダイヤモンド(約4.50カラット)
価格:11,066,000円(税込)